手や指が痛い
代表的な手や指の疾患
手根管(しゅこんかん)症候群
手のひらの手首に近い部分にある正中(せいちゅう)神経は、手根骨という骨と、筋肉に繋がる腱、屈筋支帯と言われる靭帯に囲まれたトンネル(手根管)の中を通っています。その中で正中神経が圧迫されると、まず示指(第2指)と中指(第3指)が、そして母指(親指)、環指(第4指)の半分まで、しびれや痛みが出現します。手の根元を軽く指で叩くと、しびれや痛みが指先に広がります。また、起床時にしびれている手をブラブラと振ると、圧迫が軽くなり痛みやしびれが楽になるのも特徴的です。
治療
内服薬、神経ブロック注射、ハイドロリリース、リハビリテーションをおこないます。痛みやしびれが強ければ、手術が必要ですので、適切な医療機関を紹介致します。
腱鞘炎(ドケルバン病、バネ指)
腱鞘とは、筋肉と骨をつなぐ腱を包む組織です。パソコン作業などで手や指をよく使う方、ピアノなどの楽器演奏、スマホの使いすぎ、妊産婦や更年期の女性などでは、そこに炎症を起こしやすくなり、腫れや痛みを生じます。手関節の親指の根元に起きれば「ドケルバン病」、指の根元に起きれば「バネ指」と言います。
治療
内服薬、局所注射、ハイドロリリース、リハビリテーションをおこないますが、症状が長引く場合には手術が必要になることもあります。その際には適切な医療機関を紹介致します。
慢性関節リウマチ
免疫の異常が起きて、自分自身の関節や軟骨を破壊して痛みの原因となるのが、自己免疫疾患の一つで、女性に多い慢性関節リウマチです。(他に内科的に様々な症状があります。ここでは省略します)指に関しては、朝起きた時に指や手がこわばって動かしにくかったり、指先が白く冷たくなったりすることがあります。
症状や血液検査でリウマチが疑われたら、専門家のもとでの薬物療法が必要になりますので、リウマチを専門とする医療機関にすみやかに紹介致します。リハビリテーションや関節注射に関しては当院でおこなうことが可能です。関節の破壊がひどくなり、股関節や膝関節の手術が必要であれば、適切な医療機関に紹介致します。